今回は、社会人バドミントンサークルのキャラクター「みんと」を主人公に、数ページの短編漫画を作りました。
画像生成AIで漫画を作るときは、最初からコマを1つずつ完成させようとするよりも、
ネタ出し → 設定づくり → プロット → コマ割り → ページ生成 → 差し替え → Photoshop仕上げ
という順で進めると、全体の流れを保ちながら作りやすくなります。

以下、今回の実際の制作フローを、途中で試せるプロンプト例と合わせてまとめます。
1. 漫画の核になるネタを決める
まず、「何を面白がる漫画なのか」を決めます。
試せるプロンプト例
社会人バドミントンサークルを舞台にした、
2〜3ページで完結するスポーツ漫画のネタを10個ください。
主人公は、明るいムードメーカーだが負けず嫌いな女性。
バドミントン経験者が少し共感できる「あるある」を入れてください。
少年漫画のように大げさで熱い演出も入れたいです。
ギャグだけで終わらず、少しだけ成長や熱さが残る内容にしてください。
2. 主人公と対戦相手の設定を固める
次に、主人公と対戦相手の設定画を作ります。


漫画では同じキャラクターを何度も描くため、最初に髪型、ユニフォーム、体格、ラケット、表情の方向性を決めておくことが重要です。
今回のみんとは、
- 茶色の高めサイドポニーテール
- オレンジ系のユニフォーム
- 明るいムードメーカー
- 負けず嫌い
- 中級者
- ネット前のプッシュが得意
- ピンク系フレームのラケット
という設定です。
対戦相手も、黒髪の高めポニーテール、濃い色のユニフォーム、強気な表情などを決めました。
試せるプロンプト例:主人公設定
社会人バドミントンサークルの女性主人公のキャラクター設定を作ってください。
条件:
・20代半ばくらい
・明るいムードメーカー
・負けず嫌い
・実力は中級
・初心者にも話しかけられる
・試合になると急に真剣になる
・ネット前のプッシュが得意
名前、性格、長所、弱点、得意プレー、苦手プレー、
口ぐせ、漫画内での役割を整理してください。
試せるプロンプト例:設定画
日本の手描き少年スポーツ漫画風のキャラクター設定画。
社会人バドミントンサークルの女性選手「みんと」。
茶色の高めサイドポニーテール。
オレンジのノースリーブ襟付きユニフォーム、オレンジのスカート、白いシューズ。
右手に、実際の競技用として自然な長さのバドミントンラケットを持つ。
ピンク系フレームのラケット。
正面、横向き、後ろ姿、ラケットを持った構え、
笑顔、真剣顔、焦り顔を1枚の設定画にまとめる。
モノクロ漫画原稿風、黒ベタとスクリーントーンあり。
文字は不要。
3. AIと一緒に文字ベースのプロットを作る
次に、いきなり絵を描くのではなく、まず文字だけで漫画の流れを作ります。
この工程では、AIに全体の構成案を出してもらいながら、自分のアイディアも加えていきます。
自分が入れたいものを先に置きます。
- 絶対に描きたい場面
- キャラクターらしい台詞
- バドミントンとして外したくない動き
- 元ネタやオマージュ
- 最後に残したい読後感
その上で、AIに展開、観客の反応、ライバルの台詞、ページごとの見せ場などを肉付けしてもらいます。
今回も、みんとが苦しい試合でルーティンを使って立て直す流れを自分の案として置き、周囲の反応や見せ場の配置をAIと一緒に組み立てました。
試せるプロンプト例
次の要素を使って、3ページで完結するバドミントン漫画のプロットを作ってください。
主人公は、社会人バドミントンサークルの女性「みんと」。
試合終盤、相手に押し込まれ、呼吸も乱れている。
観客も「完全に相手のペースだ」と感じている。
みんとは自分だけのルーティンを思い出し、気持ちを立て直す。
最後は構え直したみんとを見て、相手の表情が変わる。
あるあるコメディと、少年漫画的な熱さを両立してください。
各ページの役割、コマごとの出来事、見せ場を整理してください。
4. 手書きラフでコマ割りを決め、各コマに名前をつける
プロットが固まったら、紙やタブレットにページ全体のコマ割りをラフに描きます。

ここでは絵の完成度よりも、
- 右から左へ自然に読めるか
- どこを大ゴマにするか
- 表情アップや観客の反応をどこに置くか
- 吹き出しを置く余白があるか
- スマホで読んだときに視線が迷わないか
を優先します。
そして、各コマに「Aコマ」「Bコマ」「Cコマ」のような名前をつけます。
これがかなり重要です。ページ全体を作った後でも、「どの部分を修正したいか」を明確に伝えられるからです。
例:今回のコマ名
- Aコマ:みんとが押し込まれながら返球する
- Bコマ:苦しそうなみんとの表情
- Cコマ:観客の反応
- Dコマ:対戦相手の余裕ある表情
- Eコマ:応援席の部員が異変に気づく
- Fコマ:みんとがルーティンを思い出す
- Gコマ:呼吸を整える
- Hコマ:ラケットを見つめる
試せるプロンプト例
以下の漫画プロットを、画像生成用のコマ一覧に整理してください。
各コマに、
・コマ名
・場面
・登場人物
・カメラアングル
・表情
・背景
・効果音
・吹き出しを置く余白
をつけてください。
なお、吹き出しと台詞は後からPhotoshopで追加するため、
画像には入れない前提です。
5. ページ単位で漫画を一気に生成する
基本的には、コマ割りラフとコマ名つきの指示をもとに、ページ単位で漫画を一気に生成します。
今回は、3ページ分をページごとにまとめて生成しました。
ページ全体で作ることで、
- コマ同士のつながり
- 登場人物の位置関係
- アクションの流れ
- コマの大小
- 漫画としての勢い
をまとめて出しやすくなります。
このときは、コマごとの指示を順番に書きます。
実際に近いプロンプト例
縦長の日本の少年スポーツ漫画、モノクロ漫画原稿風。
右から左へ読むコマ割り。
社会人バドミントンサークルの女性主人公「みんと」が登場する。
みんとは茶色の高めサイドポニーテール、
オレンジのノースリーブ襟付きユニフォーム、
オレンジのスカート、白いシューズ。
右手にピンク系フレームの自然な長さのバドミントンラケットを持つ。
Aコマ
シングルスの試合終盤。
みんとは押し込まれ、呼吸も荒い。
ギリギリの返球を続けるが、体勢を崩しかける。
Bコマ
苦しそうなみんとの表情アップ。
汗が多く、目線はまだシャトルを追っている。
Cコマ
観客席の反応。
試合を見つめる部員たちが緊張している。
吹き出しを置ける余白を残す。
Dコマ
対戦相手の余裕ある表情。
黒髪の高めポニーテール、濃い色のユニフォーム。
みんとが崩れかけている様子を見下ろしている。
Eコマ
応援席の部員が何かに気づく。
みんとの変化を見逃さない表情。
吹き出しを置ける余白を残す。
吹き出し、台詞、独白、説明文は一切入れない。
効果音とオノマトペは入れてよい。
黒ベタ、スクリーントーン、集中線を使った手描き漫画原稿風。
吹き出しを後から入れるための追加指示
吹き出し、台詞、独白、説明文は入れないでください。
後からPhotoshopで文字を追加するため、
人物の顔の周囲とコマ内上部には適度な余白を残してください。
効果音とオノマトペのみ入れてください。
6. キャラクターと競技動作のぶれを確認する
ページを生成した後は、キャラクターとバドミントンの動きを確認します。
特に、バドミントン漫画では次のような点がぶれやすいです。
- みんとのサイドポニーテールの位置
- ユニフォームの形や色
- ラケットの長さ
- ラケットを持つ手
- ネットとの位置関係
- 足幅や構え
- シャトルの位置
- 対戦相手のラケット本数
ここで問題を見つけたら、次の工程で必要なコマだけを個別に出力して差し替えます。
7. 必要なコマだけ個別に再生成して差し替える
ページとして生成したあと、重要なコマや決めゴマは個別に作り直すことがあります。
たとえば、
- 顔がみんとらしくない
- 髪型が設定画と違う
- ラケットが短すぎる
- ネットを越えてラケットが入っている
- 足の開き方が不自然
- 決めゴマの迫力が足りない
といった場合です。
ページ全体を作り直すのではなく、対象のコマ名を指定して個別に出力し、後で差し替えます。
試せるプロンプト例:髪型の修正
Lコマのみ修正してください。
みんとの髪型を、設定画どおりの
茶色の高めサイドポニーテールに戻してください。
髪を下ろした状態や通常のポニーテールにはしないでください。
表情、ラケット、構図、背景は現在のまま維持してください。
試せるプロンプト例:ラケットの修正
Nコマのみ修正してください。
対戦相手がラケットを2本持っているため、
右手に1本だけ持つように修正してください。
ラケットは、実際の競技用バドミントンラケットとして
自然な長さと比率にしてください。
人物の表情、ポーズ、背景、コマ枠は変更しないでください。
試せるプロンプト例:決めゴマの作り直し
漫画の決めゴマ用の縦長イラスト。
バドミントンの試合終盤、
みんとがラケットを見つめながら、
人差し指の先にラケットのグリップエンドを乗せて立てている。
茶色の高めサイドポニーテール、
オレンジのユニフォーム、
右手に自然な長さのバドミントンラケット。
表情は、焦りから静かな集中へ切り替わる瞬間。
背景は黒ベタとスクリーントーンを使い、
周囲の音が消えたような静かな緊張感。
吹き出し、台詞、文字は不要。
モノクロの手描き少年スポーツ漫画風。
8. Photoshopで吹き出しと台詞を追加し、総仕上げする
最後に、ページ単位で生成した画像と、個別に作り直したコマをPhotoshop上で組み合わせます。
この工程が、漫画としての最終仕上げです。
生成AIでは吹き出しや文字が安定しないため、画像は基本的に吹き出しなしで作り、台詞・独白・ナレーションはPhotoshopで加えます。
主な作業は、
- 個別に再生成したコマの差し替え
- コマ枠の微調整
- 画像のトリミング
- 吹き出しの追加
- 台詞、独白、ナレーションの追加
- 読み順に合わせた吹き出し位置の調整
- 効果音・オノマトペの追加や修正
- 濃度、コントラスト、スクリーントーンの調整
- ページ全体の統一感の調整
です。
画像を作る工程と、漫画として読める状態へ整える工程を分けることで、修正しやすさがかなり上がります。
試せるプロンプト例:台詞案だけを作る
以下の場面に入れる漫画の台詞を考えてください。
・主人公は試合終盤、相手に押し込まれている
・観客は「完全に相手のペースだ」と感じている
・主人公の仲間だけが、主人公がルーティンを始めたことに気づく
・主人公はラケットを見つめて、真顔で少し格好悪い一言を言う
・対戦相手は主人公の変化に気づいて警戒する
短く、吹き出しに入れやすい台詞を、
シリアス寄り・熱血寄り・ギャグ寄りで各5案ください。
制作フローを一行でまとめると
ネタ出し → キャラクター設定 → AIと文字プロットを共同作成 → 手書きコマ割り+コマ名付け → ページ単位で一気に生成 → キャラ・競技動作を確認 → 必要なコマだけ再生成して差し替え → Photoshopで吹き出し・台詞を加えて総仕上げ