「茨城弁で話すクオッカ」を例にした、アイデア出しから入稿準備まで

LINEスタンプを作ってみたいけれど、イラストを一から描くのは難しい。そんなときに活用しやすいのが、ChatGPTなどの生成AIです。
今回は、「茨城弁で話すクオッカ」をテーマに、筆ペンと水彩で描いたようなイラストのLINEスタンプを作る流れを紹介します。
なお、先にひとつ大事な前提があります。生成AIで作った画像は、背景透過が安定しないことがあります。LINEスタンプとして仕上げるには、Photoshopなどで背景を切り抜き、サイズや余白を整える作業が必要です。
この記事は、Photoshopなどで画像の切り抜きやサイズ調整ができる方向けの内容です。
1. まずはテーマを決める
最初に決めるのは、「どんな人が、どんな場面で使いたくなるスタンプか」です。
今回のテーマは、こちらにしました。
茨城弁で話すクオッカ
クオッカの親しみやすい表情と、茨城弁のゆるい響きを組み合わせることで、日常の返信に使いやすく、少し個性もあるスタンプを目指します。
テーマを考えるときは、次の3点を意識すると作りやすくなります。
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キャラクターは何か
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話し方や世界観に特徴があるか
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日常会話で使うイメージが湧くか
たとえば、「関西弁で話す柴犬」「敬語を使う赤ちゃん」「仕事ができるカワウソ」なども、スタンプのテーマとして広げやすい組み合わせです。
2. イラストの方向性を複数出す
最初から1つの絵柄に決め打ちするよりも、まずは4パターンほど出して比較するのがおすすめです。
テイスト、色使い、かわいさの方向性、線の太さなどを見比べることで、「この方向で量産したい」という基準が作れます。
プロンプト例
「茨城弁で話すクオッカ」のLINEスタンプを作りたいです。筆ペンと水彩で描いたクオッカのイラストをベースにしたいです。
テイスト・トーン・雰囲気が全く違うイラストを4パターン考えてください。文字は不要です。
その4パターンからスタンプの方向性を選び固めていきます。
計4枚の画像でください。

ここでは、最終的に「やわらかい筆ペン線と水彩」「丸くて親しみやすいクオッカ」という方向性を選びました[左上]。
3. 毎回使うベースプロンプトを作る
イラストの方向性が決まったら、次にやることは「ベースプロンプト」を作ることです。
毎回ゼロから指示すると、キャラクターの顔や色、線の雰囲気が大きくぶれます。そこで、共通の設定をまとめたベースプロンプトを用意しておくと、量産しやすくなります。
プロンプト例

このテイストでスタンプを作ります。毎回、このテイストでスタンプができるように、ベースとなるプロンプトを考えてください。
LINEスタンプとして加工するため、
①背景は単一のグレー
②キャラクターは右向きを基本とする
③サイズ感は横370px × 縦320px
にしてください。
背景をグレーにするのは、Photoshopで切り抜きやすくするためです。
白背景よりも、キャラクターの白っぽい部分や淡い水彩部分との境目を確認しやすいことがあります。もちろん、作業環境によっては別の単色背景でも問題ありません。
4. スタンプのフレーズを考える
次に、スタンプに入れる言葉を考えます。
40個作る場合は、以下のように分けると使いやすいです。
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日常で使えるフレーズ: 20個
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テーマならではのフレーズ: 20個
今回であれば、「ありがとう」「ごめん」「了解」「おつかれ」などの日常フレーズに加え、「だいじだっぺ」「なんだっぺ?」「おっかけちゃった」など、茨城弁らしさが出る言葉を入れていくイメージです。
プロンプト例
LINEスタンプで使える茨城弁のフレーズを考えて。
その上で、フレーズ・表情・ポーズ・演出を表で整理して。
この段階で、ただ言葉を並べるのではなく、「どんな顔で、どんなポーズをするのか」まで考えておくのがポイントです。
たとえば、「だいじだっぺ」なら安心させる笑顔と親指を立てるポーズ、「いじやける〜」ならほっぺをふくらませたむっとした表情、といった具合です。
| No. | フレーズ | 標準語の意味 | 表情 | ポーズ | 演出 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | おっかけちゃった | 壊れちゃった・欠けちゃった | 目を丸くして、口を小さく開けた焦り顔 | 両前足で壊れた物をそっと持つ | 小さなヒビ、欠けた破片、汗を1滴 |
| 2 | だいじだっぺ | 大丈夫でしょ | 安心させるようなにっこり顔 | 左向きで親指を立てる | 背景に小さなキラキラ、やわらかい光 |
| 3 | なんだっぺ? | 何だろう?・どうしたの? | 片眉を上げて首をかしげる | 前足を片方だけ上げる | 頭の横に小さな「?」風の筆ペン記号 |
| 4 | そーだっぺ! | そうだよね!・その通り! | 目を閉じて大きく笑う | うんうんと大きくうなずく | 頭の周りに勢いのある筆ペン線 |
5. 表情・ポーズ・演出を1行ずつに整理する
イラストを生成するときは、フレーズごとの指示を短く、1行に整理するとぶれが少なくなります。
プロンプト例
フレーズ・表情・ポーズ・演出を / で区切って、各1行にしてください。
このように整理しておくと、後から生成用の指示としてそのまま使いやすくなります。
例:
安心させるようなにっこり顔 / 左向きで親指を立てる / 小さなキラキラ、やわらかい光
半目でじとっと見つめる / 腕組みしながら少し前かがみ / 薄いグレーのモヤ、口元に小さなため息
フレーズも一緒に入れれば、文字入りのイラストを生成することもできます。反対に、フレーズを書かなければ、文字なしのキャラクターイラストとして作れます。
ただし、文字入り画像は誤字やフォントのぶれが起きやすいため、個人的にはキャラクターと文字を別々に作る方法がおすすめです。
6. イラストをまとめて生成する
ベースプロンプトの後ろに、各スタンプの表情・ポーズ・演出を並べて、複数枚まとめて生成します。
プロンプト例
やわらかい筆ペン線と水彩で描いた、かわいらしいクオッカのLINEスタンプ用イラスト。
クオッカは全身が見える構図で、ふっくら丸い体型、短い前足、つぶらな黒い目、つやのある黒い鼻、にこやかで親しみやすい表情。
体の向きは基本的に右向き。軽く顔も右を向けつつ、表情は見やすくする。
毛並みはベージュ、薄茶、クリーム色を中心に、やさしい水彩のにじみで表現する。
線は黒の筆ペン風で、少しかすれや強弱がある手描き感。
全体の雰囲気は、ナチュラル、あたたかい、上品、やさしい、親しみやすい。
背景は装飾なしの単一グレー。影や小物は最小限。
LINEスタンプとして使いやすいように、キャラクターを中央に大きめに配置し、周囲には適度な余白を残す。
画像サイズは横370px × 縦320pxの横長。
文字なし。
シンプルで見やすく、スタンプ向きの明快なシルエット。以下7枚の画像でください。
安心させるようなにっこり顔 / 左向きで親指を立てる / 小さなキラキラ、やわらかい光
片眉を上げて首をかしげる / 前足を片方だけ上げる / 頭の横に小さな「?」風の筆ペン記号
目を閉じて大きく笑う / うんうんと大きくうなずく / 頭の周りに勢いのある筆ペン線
半目でじとっと見つめる / 腕組みしながら少し前かがみ / 薄いグレーのモヤ、口元に小さなため息
ほっぺをふくらませてむっとする / 前足を握って小さくぷるぷる震える / 頭の上に小さな怒りマーク、筆ペンのギザギザ線
眉を下げて困り笑い / 頭を前足でぽりぽりかく / 薄い水彩のため息、汗を2滴
きりっと自信満々の顔 / 胸を張って前足をぐっと握る / 背後に勢いのある水彩の筆はね、キラッとした光

複数枚を一度に生成すると、キャラクターの統一感が保ちやすいことがあります。一方で、気に入ったポーズだけ個別に作り直すことも必要です。
生成AIは、こちらの意図を100%正確に再現するわけではありません。数回作って比較しながら、良いものを採用していく進め方が現実的です。
7. フレーズを別で作ると、より個性が出る
スタンプの魅力は、キャラクターだけでなく文字でも決まります。
特に今回のような「茨城弁」をテーマにしたスタンプでは、フレーズそのものの見せ方も大切です。
キャラクター画像に文字を直接入れるよりも、文字だけを別でイラスト化し、Photoshopで組み合わせる方が、仕上がりを調整しやすくなります。
プロンプト例
フレーズについて、フレーズ・文字方向・色・フォント/雰囲気を考え、表で整理して。いくつか、筆文字っぽいものが入ると嬉しいです。
たとえば、「おっかけちゃった」は少しかすれた焦りのある筆文字、「まかしとけって!」は力強い筆文字、「だいじだっぺ」は丸みのあるやさしい手書き文字、といった使い分けができます。
文字の方向や色も決めておくと、スタンプ全体にリズムが生まれます。
| フレーズ | 文字方向 | 色 | フォント / 雰囲気 |
|---|---|---|---|
| おっかけちゃった | やや右上がり、キャラの上部に大きめ | 濃いこげ茶+一部だけ薄い赤茶 | かすれた筆文字。焦って勢いで書いたような、少しガタつきのある手描き感 |
| だいじだっぺ | 横書き、キャラの左上から右上へゆるく弧を描く | やさしい深緑 | 丸みのある手書き文字。安心感があり、少しだけ筆文字っぽい太細をつける |
| なんだっぺ? | 縦書き寄り、右上に短く配置 | 墨黒 | 太めの筆文字。最後の「?」を大きく、少し跳ねさせて疑問感を出す |
8. 文字だけをイラスト化する
文字も生成AIで作る場合は、文字だけをまとめて生成する方法があります。
プロンプト例
各フレーズで、フォント / 雰囲気をしっかり反映し、文字だけイラスト化してください。
1〜4、5〜8といった感じで、4個を1枚のイラストにまとめ、計2枚でください。
ドロップシャドウ・影はなし。あとでPhotoshopで切り抜くので切り抜きやすいように背景はグレーで。
文字だけを取り出して、あとからキャラクター画像と組み合わせれば、位置や大きさ、読みやすさをPhotoshop上で調整できます。
ただし、日本語の文字は誤字や文字化け、意図しない字体になることもあります。必要に応じて、最終的な文字はPhotoshopやIllustratorなどで手作業で入れるのもおすすめです。

9. Photoshopで切り抜き・合成・サイズ調整をする
ここからは、生成AIで作った素材をLINEスタンプとして整える工程です。
主な作業は次の通りです。
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グレー背景を切り抜く
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余白を整える
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キャラクターと文字を合成する
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必要に応じて文字の大きさや位置を調整する
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指定サイズにリサイズする
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透過PNGとして保存する
生成AIは素材づくりにはとても便利ですが、最終的な仕上げは手作業で行った方が、スタンプとしての見やすさや統一感が出ます。
特にLINEスタンプは小さく表示されるため、細かい装飾よりも、表情・文字・シルエットが見やすいことが大切です。

10. タイトル・説明文を考える
イラストが完成したら、登録用のタイトルと説明文も準備します。
日本語だけでなく、英語版も用意しておくとスムーズです。
プロンプト例
タイトル (日本語・英語)
説明文 (日本語・英語)
を考えてください。
今回の例では、以下のような形になりました。
タイトル (日本語)
茨城弁で話すクオッカ
Title (English)
Quokka Speaking Ibaraki Dialect
説明文 (日本語)
茨城弁でゆるく気持ちを伝える、筆ペンと水彩タッチのクオッカスタンプです。「だいじだっぺ」「なんだっぺ?」「おっかけちゃった」など、毎日の返信やリアクションに使いやすい言葉をそろえました。
Description (English)
A cute watercolor-and-brush-pen quokka sticker set featuring casual Ibaraki dialect expressions. Use these warm, expressive stickers for everyday replies, reactions, encouragement, and little “oops” moments.
11. メイン画像・トークルームタブ画像を作る
登録用には、スタンプ本体とは別に、メイン画像やトークルームタブ画像も必要です。
プロンプト例
メイン画像 1枚、240×240px
トークルームタブ画像 1枚、96×74px
もイラストをください。
メイン画像は、スタンプの顔になる画像です。キャラクターの表情がわかりやすく、テーマが一目で伝わる構図にするとよいでしょう。
トークルームタブ画像は小さく表示されるため、細かい情報を入れすぎず、顔や手のポーズなど、ひと目でわかる要素に絞るのがおすすめです。

12. あとは申請するだけ
素材がそろったら、LINE Creators Marketからスタンプを登録・申請します。
登録前には、以下を確認しておくと安心です。
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画像の背景が透過されているか
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指定サイズに合っているか
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フレーズが小さすぎず読めるか
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キャラクターの端が切れていないか
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似たポーズや表情ばかりになっていないか
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タイトルや説明文に誤字がないか
LINEスタンプの画像仕様や審査基準は変更される場合があるため、申請前に必ず公式の最新ガイドラインを確認してください。
まとめ
生成AIを使うと、LINEスタンプ制作は「イラストを描ける人だけのもの」ではなくなります。
ただし、完成度を上げるには、生成AIにすべて任せるのではなく、テーマ設計、フレーズ選び、文字の見せ方、切り抜き、合成、サイズ調整といった人の手による編集が重要です。
今回の流れをまとめると、次の通りです。
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テーマを決める
-
複数のイラスト方向性を出す
-
ベースプロンプトを作る
-
フレーズと表情・ポーズを考える
-
1行形式に整理する
-
キャラクターイラストを生成する
-
フレーズ文字を別で作る
-
Photoshopで切り抜き・合成する
-
タイトル・説明文・メイン画像を作る
-
LINE Creators Marketで申請する
「茨城弁で話すクオッカ」のように、地域の言葉やキャラクターの個性を掛け合わせると、生成AIを使ったスタンプでもオリジナリティを出しやすくなります。
まずは8個から作ってみて、使いやすさを確認しながら16個、24個、40個へと増やしていくのもおすすめです。